映画「マトリックス」とプラトンと魂と


〜マトリックスとプラトンと魂の成長の過程〜


映画「マトリックス レザレクションズ」を観て、今この映画が出てくるということは、やっぱり時代は変わるなって思うし、または、変わらないといけないなとも思うので。


それには個々の精神性の向上って、本当に大事。


その精神の向上の仕組みを「マトリックス」の世界観を通して、プラトンの伝えたいことを軸にお伝えしようと思います。



<「マトリックス」の主要な登場人物>

・ネオ(魂の探求者)

・トリニティ(ネオが愛する人)

・モーフィアス(導く人)

・精神科医(洗脳する人)

・ミスタースミス(目覚めようとする人を邪魔する役人)

・オラクル(預言者であり、創造主のひとり)


それぞれお役目があります。そのお役目はプラトンの「洞窟に比喩」で暗に私たちに問いかけていることとそっくりです。



<プラトン提唱「洞窟の比喩」とは>

プラトンはソクラテスの直弟子であり、哲学者のひとりです。


彼が残したものの中で一番人気なのは、「イデア論」や「ソクラテスの弁明」ですが、ここでは「洞窟の比喩」を引用しようと思います。


「洞窟の比喩」とは、人間の精神の成長、言い換えるなら、魂の成長を比喩を使って説明しているもの。

この社会を洞窟に喩えて説明しています。


洞窟にいる私たちは、洞窟の中で何も疑わず、先生や権威者の言うことをそのまま真実だと信じ込み生きています。そういう疑問を抱くことなく、洗脳されるがままになっているのがほぼ全員。


そんな中に、ポツンと様々なことに疑いを持つ人物が現れます。それが映画「マトリックス」の中ではネオになります。ネオは真実とはなんぞや、自分って一体誰なんだろう、今の自分は本当の自分ではないんじゃないか、と疑うわけです。


そういった疑うという第一歩が魂の探求者としての第一歩となります。


自分って誰なんだろう? 今いる現状は自分が所属していい場所じゃないんじゃないか、本当はどこかに自分の居場所ってあるんじゃないか、本来の自分で生きていないんじゃないかっていう、自分で自分のことを疑うというのが、ファーストステップです。


そうすると今度は、アーティストたちの声が耳に入ってきます。


アーティストたちというのは、真実ってこうなんじゃない? 本当はこうなんじゃない? みんなと同じじゃなくていいんじゃない? こういう考えだって間違いじゃないよね? というようなことを、自分の言葉で、または、作品を通して、人々に発信している人たちです。


プラトンは、そういう発信者をアーティストと呼んでいました。


そうすると、この社会に疑問を抱いているネオのような人たちが、アーティストの言葉に耳を澄ますようになります。そして、さらに自分の疑問が正しいのではないかという気持ちが育ち成熟するのです。


そして、どんどん自己探求の世界に進みます。


そして最終的に出会うのが、哲学者(映画「マトリックス」ではモーフィアス)になるわけです。


哲学者というのは、真実をみせる人。洞窟から連れ出してくれて、太陽の光を体験させてくれる人です。太陽というのは「真実」の隠語になります。



なんでも鵜呑みにして洗脳されている人間層

人間を洗脳するという役目の先生や権威者層

人間に自由意志を提唱するアーティスト層

人間に真実を見せる哲学者層


というのが、魂の探求者が辿る道とプラトンは語っています。


映画「マトリックス」では、ネオは見事にこの階層を突き進むわけです。

が、しかし、これらのすべての階層には精神科医(洗脳する人)やミスタースミス(目覚めようとする人を邪魔する役人)がいて、スムースに洗脳を解けない仕組みになっています。


*ここで使用している職業名は便宜上のもので、その職業=洗脳する人、または、真実をみせる人ということではありません。

*「マトリックス」の登場人物でオラクルという存在がいますが、「洞窟の比喩」の中には出てきません。オラクルというのは真実も知っていて、その名の通り、オラクル(予言)を伝える人ではありますが、その予言であり運命を受け取るのは本人次第なので、その選択権を本人に渡している存在です。だから、哲学者とも違った存在で、オラクル自身が動くという存在ではありません。言ってみれば、傍観者のような存在で、人間ではなく神に隣接している存在と言えます。





<あなたのいる階層は?>

さて、あなたはどの階層にいますか?

自分らしく生きたい、自分って何? 自分の本当の居場所を探したい、そんなふうに思っているなら、権威者層とアーティスト層の間くらいにいるかもしれません。


すでに、こういう考え方だっていいよね、本当はこうなんじゃない?を探して、自分も取り入れたり、または、自分の言葉で発信しているなら、アーティスト層にいるのでしょう。


そのアーティスト層すらからも卒業しかかると、次は哲学者層です。


まずは本当の本当の本当の真実を教えてくれる人を探して、それから、自分も哲学者になるという学びのスタート。


ここで気をつけなくてはいけないのが、どの階層にもミスタースミスだったり、精神科医が潜んでいるということ。あたかも権威者やアーティスト、そして、哲学者のふりをして。


そして、洗脳されても気づかないような人間層に、あっという間に逆戻りさせられちゃうんです。


だからちゃんと付き合う人、関わりを持つ人、相談を仰ぐ人は気をつけなくてはいけません。




<哲学者を探す法則>

目覚めさせてくれる存在である哲学者。映画「マトリックス」ではモーフィアス。


モーフィアスがいなかったら、ネオは覚醒できる薬を飲むことができなかったように、この世界でも魂の成長がしたいなら、この世の真実を知っているモーフィアスに出会う必要があります。


モーフィアスが映画の中で言っているように、「俺がネオを見つけた」ということです。

ネオは自分がモーフィアスを見つけたと思っていたのですが、そうではなく、モーフィアスがネオを見つけたってこと。


モーフィアスのような覚醒者は命を常に狙われているわけです。だから人知れず潜伏している。探そうと思っても探せないわけ。

近くにまで行けたとしても、煙に巻かれちゃうような感じ。


だからこそ、モーフィアス自身のセンサーに引っ掛かった人にしか見えない形で現れるということで、モーフィアスが自身で自分が指導したいと思える人を見つけたってこと。


精神世界を見ると、いつも面白いなと思うことがあって、必ず、意識の目覚め具合で上位関係が決まる。


だから、モーフィアスが見つけられたということは起こらないということ。下位のものからは感知できない。もし探されてもいいという許可をモーフィアス自身が設定しなければ。


ということで、これはこの世界でも言えること。


もし、自己成長したいと願うのであれば、自分はそう願うと同時に、コツコツと努力を積み重ね、モーフィアスに見つけてもらうのを待つ。


それは自分が満ちたとき、ベストなタイミングで訪れるんじゃないかな。


そして、モーフィアスからの不思議なお誘いは乗る。そうすることで、次なる扉が開くのかなと思います。


きっとそのお誘いは不思議な入口なんだろうな。


みなさんにはどんな扉が開くのか楽しみですね。

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